ここ数年で夏の暑さは厳しさを増しています。
それにともなって
「家の中でじっとしているだけなのに汗だくになってしまう」
「日が暮れて外は涼しくなったのに部屋の中が暑い」
「夜中も暑くてなかなか寝付けないし眠りも浅い」
といった夏特有のお悩みをよく耳にするようになりました。
夏は暑く冬は寒いという過ごしにくさの原因は、住宅の断熱性能の低さにあるといわれています。
そこで今回は、夏の過ごしにくさの原因と夏を快適に過ごす住まいの暑さ対策を紹介します。
外よりも部屋が暑いと感じる原因とはいったん入った熱が逃げていかないから
家の中は壁や屋根に囲まれているため、一度室内があたたまってしまうと熱がこもった状態になり、外よりも暑くなります。
2階や3階の部屋であれば、1階のあたたかい空気が上がって流れ込んだり、直射日光を受けて温められた屋根や天井からの熱が放出されることで暑く感じます。
いったん家の中に入った熱はなかなか外に逃げていかないため、特に夏場は家の中に熱が入り込まないようにすることが重要です。
外からの熱気の影響を受けやすい家で生活することで熱中症のリスクが高くなるのも見過ごせません。
熱中症は室内や夜間でも多く発生しており、熱中症によって亡くなる方の約9割は65歳以上の高齢者、そのうち約9割は屋内で、エアコンを使用していなかった方がほとんどだというデータ(東京都監察医務院より)があります。
また、外からの熱気の影響を受けやすい家だと、快適な環境にするためにはエネルギーを大量消費することになり、その結果、光熱費も高くなってしまいます。
夏の猛烈な暑さから命を守り、快適に過ごすためにも、住まい自体の環境を整えることがポイントになります。
夏に快適に過ごせる住まいにする対策とは
熱を入れない
屋根や天井の断熱をしっかりと施すことが重要です。
太陽光の影響を強く受ける屋根や天井をしっかりと断熱、遮熱することで、家の中に熱が入り込むのを防ぎます。
外壁や屋根の色や素材によって太陽の熱の吸収率が異なるので、濃い色や蓄熱性の高い素材を使用する場合は夏の暑さ対策が必要になる場合があります。
熱を逃がす・溜めない
熱を逃がすには、風が通りやすい窓の配置や、窓のタイプを選ぶことで風の力を上手に使うことがポイント。
外気温が高くなる昼間を避けて、早朝や夜間に通風することでより効果的に熱を逃がすことができます。
また、あたたまった空気は上へ流れる性質があるため、その家の中を縦方向に流れる風を利用して熱を逃がすのも有効です。
日差しを遮る
家の中で最も熱の出入りが大きいのは窓です。
夏場はどんなにエアコンをかけていても、太陽の熱が外から入ってくるのを遮らない限り、部屋がどんどん暑くなってしまいます。
窓から出入りする熱の対策をしないと、過ごしにくさを解消することはできません。
夏は太陽の位置が高いため、南面の窓は庇やシェード、テラス屋根などの日よけが有効です。
また、西日は低い位置で長時間日差しが差し込み、家具の日焼けや室温の上昇にもつながるため西面への日差し対策も欠かせません。
窓自体を断熱性能が高いものにすることで、家の中への熱の出入りが抑えられ、暑さ・寒さや部屋の温度差を抑えるのには最も有効な対策といえます。
夏の太陽と上手につきあうのがポイント
高断熱高気密住宅は、魔法瓶の水筒をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
中に入れた飲み物は、熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいまま。
ある程度冷めたりぬるくなったりはするものの、その温度変化は時間をかけて非常に緩やかなものです。
高断熱高気密住宅の涼しさやあたたかさもこれと同じ原理です。
・夏には、なるべく熱を入れずに涼しいままを保つ
・冬にはなるべくあたたかい熱をとり込んで暖かさを逃がさないこと
が住まいの快適さを保つためには非常に重要です。
太陽の光と熱が窓を透過すると、室内の壁や床の表面温度や室温があがります。
夏はいかに外で太陽の光を遮るか(日射遮蔽)、逆に冬場はいかに室内に採り入れるか(日射取得)が重要です。
庇や窓の外側にシェードや簾、ブラインドなどを設置して太陽の光を遮ることで涼しく快適に過ごすことができます。
まとめ
今回は、夏の過ごしにくさの原因と夏を快適に過ごす住まいの暑さ対策を紹介しました。
ここ数年で、夏には猛暑日が続くのが当たり前の環境になってきました。
この夏を健康で快適に過ごすために、ご自身の住まいの夏の暑さ対策を見直してみませんか。
ひら木では、これから家を建てるみなさまをはじめ、リフォームをご希望されるみなさまに、住まいの断熱対策をご提案しています。
お気軽にご相談ください。